2023年10月27日

2023年 第42週 (2023.10.16 ~ 2023.10.22)

★県内で注目すべき感染症
(注意点や予防方法)

〇インフルエンザ
 インフルエンザは、その年により流行の程度に差がありますが、感染力が強く、いったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡大することから、集団生活の場では特に注意が必要です。
 県内では、新シーズンの始まりである第 36 週(9 月 4 日~10 日)に定点当たり報告数が 3.11(報告人数:137 人)と 1.00 を超え流行期に入り、以降増加傾向となっています。
 全国でも、令和 4 年第 51 週(12 月 19 日~25 日)に流行期入りして以降、インフルエンザの流行の目安とされている 1.00 を下回ることはなく、直近の 8 週は連続で増加しています。
 また、学校等では集団発生による休校、学年閉鎖、学級閉鎖が多数報告されているので注意してください。

 インフルエンザ定点医療機関における迅速診断ではインフルエンザ A 型が 584 件(99.3%)、インフルエンザ B 型が 4 件(0.7%)となっています。
 国内のインフルエンザウイルスの検出状況は、直近の 5 週間(2023 年第 37 週~2023 年第 41 週)ではAH3 の検出割合が最も多く 77.7%、次いで AH1pdm09 が 21.8%、B ビクトリア系統が 0.5%の順でした。
 インフルエンザは、例年 1 月~2 月頃にピークとなる疾患ですが、すでに県全域で注意報値を超えているのでインフルエンザワクチンの接種を希望される方は早目に接種しましょう。
ワクチン接種を希望される方へ
・ 接種に当たっては、あらかじめ医療機関に電話等で予約をお願いします。
・医療機関訪問時は、マスクの適切な着用などの感染対策の徹底もお願いします。
・ インフルエンザワクチンは重症化予防などの効果がある一方で、発病を必ず防ぐわけではなく、接種時の体調などによって副反応が生じる場合があります。
医師と相談のうえ接種いただくとともに、接種後に体調に異変が生じた場合は医療機関にご相談ください。
・ インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同日に接種することが可能です。
ただし、新型コロナワクチンは前回接種からの間隔等の要件があるため、必ず同日に接種できるわけではありません。

○新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
 主な症状は発熱、咳、全身倦怠感等の感冒様症状であり、頭痛、下痢、味覚障害、嗅覚障害を呈する場合もあります。
 感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出されるウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより感染します。
 症状のある場合に外出する際は、人混みは避け、マスクを着用しましょう。
また、高齢者や基礎疾患のある方は感染すれば重症化リスクも高まります。
「感染症予防の基本」をしっかり実行しましょう。

新型コロナウイルス感染症
(高知県特設サイト):>>詳細はこちら

<予防方法>
・手洗い・消毒は感染予防に特に有効です。
・密閉・密集・密接の回避と家やオフィスなどの換気を十分にしましょう。
・医療機関受信時や混雑した電車やバスに乗車する時など、効果的な場面でのマスク着用をお願いします。

○夏型感染症(咽頭結膜熱・手足口病)
 咽頭結膜熱は発熱・咽頭炎及び結膜炎を主症状とするアデノウイルスによる急性の感染症です。
潜伏期は 5~7 日で、症状は発熱、咽頭炎(咽頭発赤、咽頭痛)、結膜炎が三主症状です。
プールを介して流行することが多いことから、「プール熱」とも呼ばれています。
また、アデノウイルス感染症は定点医療機関からのホット情報でも報告が多いので注意が必要です。
 手足口病は、通常は3~5日の潜伏期をおいて、口の中、手のひら、足の裏や足背などに2~3mmの水疱性発疹ができます。
ほとんどの発病者は数日間のうちに治る病気ですが、ごくまれに髄膜炎や脳炎など重症化することがありますので、高熱や嘔吐、頭痛などがある場合は注意してください。
また、倦怠感や口腔内の痛みなどから食事や水分を十分にとれず、脱水になることもありますので、こまめな水分補給を心がけてください。
 エンテロウイルスは、回復後も便中から検出されることもあるため、この病気にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。

<予防方法>
・手洗い・うがいが大切です。流水と石けんでよく手を洗いましょう。
・タオル・コップ等の共用、感染者との密接な接触はさけるようにしましょう。
・回復後にも2 ~4 週間の長期にわたり便からウイルスが検出されることがあるので、特に、外出後、食事の前、トイレの後の手洗いを徹底しましょう。

【高知県 衛星環境研究所
感染症発生動向調査(週報)より参照】
(2023年10月25日更新)